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白内障外来

基本情報

外来日:
月曜、火曜、水曜、金曜(いずれも午後)
担当医:
柴琢也(月曜・水曜)、小川智一郎(火曜・金曜)

特長

1. 白内障手術適応

超音波乳化吸引術の進歩とともに、急速に白内障手術適応が拡大した。近年、医師および患者が、視力低下やその他の愁訴を安易に白内障が原因と考え、手術に臨むことが多いように思われる。その結果、術後に充分な患者の満足を得られない例が散見される様になってきており、白内障手術適応について再考する必要があると思われる。そこで我々は、術前に詳細な問診と種々の検査機器による精査を行い、手術の適応とその適切な時期について十分な説明を行っている。

2. 白内障術式

従来、3mm程度の創口からの超音波乳化吸引術が主流であったが、我々は世界に先駆けてより小さな創口から水晶体を乳化吸引する極小切開白内障手術を考案し、普及させた。現在当院では、1.8~2.4mmの極小切開創から安全かつ効率良く白内障手術を行い、術後早期からの良好な視機能の獲得を目指している。
本院では、最新の超音波乳化吸引装置を6台有しており、各装置の特徴を比較検討するとともに、多数の症例に対して、いかにして安全に良好な視機能を獲得するかを常に考え、最先端の術式で手術を行っている。

3. 眼内レンズ

多焦点眼内レンズをはじめとして、乱視矯正眼内レンズ、極小切開対応眼内レンズ、大光学径眼内レンズなど種々の付加価値眼内レンズが存在する。これらの眼内レンズの中から、各症例ごとにそれぞれのレンズの長所を最大限に引き出し、より良好な術後視機能を得られる使用法を検討している。
近年、多焦点眼内レンズに対する需要が高まっている。以前から屈折型の多焦点眼内レンズが存在していたが、コントラスト感度の低下やグレア・ハローといった術後視機能の低下が指摘されあまり普及しなかった。しかしながら、新世代の多焦点眼内レンズが開発され、屈折型と回折型の2つに大別される。以前の多焦点眼内レンズに比べ、コントラスト感度が改善され、またグレア・ハローも軽減し、良好な手術成績が報告されている。現在、数種類の多焦点眼内レンズが販売され、各レンズにおいて利点・欠点がある。当院では国内で承認されている全ての多焦点眼内レンズを使用することが可能であり、それぞれのレンズの長所を最大限に引き出し、より良好な術後視機能を得られるよう、術後視機能の解析を行っている。とくに、多焦点眼内レンズに対する正しい知識の普及に努めており、過度な期待や不適応な症例への使用を避け、適切に眼内レンズの選択が行われるよう指導している。

4. 研究

A) 羞明
白内障がまぶしさを起こすことはよく知られており、単純に光の散乱と説明されているが、何故眼内における光の散乱がまぶしさを起こすかは解明されていない。そこで、まぶしさを起こす白内障患者の眼光学的要因を解析することで、白内障における羞明を疑似体験できるような画像フィルターを作成し、その有無がどのように脳の反応に影響を及ぼすかによって、白内障に起因する羞明のメカニズムを解明することを目指している。
B) 眼内レンズ縫着
白内障手術時に、重度なチン小帯脆弱や水晶体偏位を認めた場合、眼内レンズ縫着術を選択することがある。従来のPMMA製縫着用眼内レンズを使用する場合、切開創が大きくなり術後視機能が安定するまでに時間を要することが避けられない。そこで、大光学径フォルダブル眼内レンズとインジェクターシステムを用いて、2.4mmの切開創から眼内レンズ縫着術を行い、良好な術後視機能を得られており、その成績について報告している。
また、術後数年経過した後に眼内レンズが偏位・脱臼し、視機能が低下するといった症例を経験する。偏位した眼内レンズを摘出するには大きな切開創を要するため、術後視機能を低下させかねない。そこで最小限の切開創から眼内レンズを整復し術後早期から良好な視機能を得られるよう、眼内レンズを摘出せずに眼内レンズ縫着術を施行している。
C) チン小帯脆弱
現在、チン小帯脆弱を定量的評価する方法は存在しない。極度のチン小帯脆弱であれば、細隙灯顕微鏡検査で水晶体の動揺や偏位を直接確認することが可能であるが、軽度の場合は、手術を開始して水晶体の挙動を観察して初めてチン小帯脆弱を確認できるのが現状である。そこで、術前に画像解析を用いてチン小帯脆弱の有無およびその程度を他覚的に定量化し検出する新たな非侵襲的検査法について検討している。